PBT樹脂の射出成形

トルク精密工業では、PBT樹脂(ポリブチレンテレフタレート)の射出成形に対応しています。

PBT樹脂は、耐熱性・電気絶縁性・寸法安定性に優れ、コネクタやセンサー部品など自動車の電装部品に広く使用されるエンジニアリングプラスチックです。当社では、PBT樹脂およびガラス繊維入りPBT樹脂(PBT+GF)を使用した自動車関連部品の量産実績があります。

また、金属端子を自社でプレス加工できる強みを活かし、PBT樹脂と金属端子を一体化するインサート成形を得意としています。試作検証から量産まで一貫して対応し、図面段階からのVA提案も行っています。

PBT(GF30%)
PBT(GF30%)

PBT樹脂成形事例

  • 接点部分(内部):
    銅合金(社内プレス加工)
  • ブッシュ(外側):
    Fe(支給材)
  • 樹脂部:
    PBT(GF30%)
  • PBT(GF40%)
  • インサート品:
    Fe、黄銅
  • 樹脂部:
    PBT(GF30%)
  • 端子(金属)部:
    黄銅(社内プレス加工)
  • 樹脂部:
    PBT(GF30%)

PBT樹脂(ポリブチレンテレフタレート)とは

PBT樹脂は、結晶性のエンジニアリングプラスチックで、ポリエステル系樹脂の一種です。耐熱性・機械的強度・電気特性のバランスに優れ、吸水率が低く寸法が安定していることから、電気・電子部品や自動車の電装部品に多く採用されています。

PBT樹脂には主に以下のグレードがあり、要求性能に応じて使い分けられます。

種類主な特徴主な用途
PBT(非強化)成形性・靭性に優れ、寸法安定性が高い。表面外観が良い小型ハウジング、スイッチ部品、ギア
PBT+GF(ガラス繊維入り)ガラス繊維の添加で強度・剛性・耐熱性が大幅に向上。最も一般的なグレードコネクタ、センサーハウジング、モーター部品
難燃グレード(UL94 V-0など)難燃剤の添加で電気製品の安全規格に対応コネクタ、リレー、電装部品ハウジング

耐熱性が高い

融点は約225℃、連続使用温度は120℃前後(グレードによる)と高く、自動車の電装部品など高温環境の製品に使用されます。

電気絶縁性に優れる

電気特性が安定しており、コネクタやスイッチなど電気・電子部品の絶縁材料として広く使用されます。

吸水率が低く寸法が安定

PA樹脂と比べて吸水率が非常に低く、湿度環境による寸法変化がほとんどありません。精密な嵌合が求められるコネクタなどに適しています。

成形性が良い

流動性が高く結晶化が速いため、薄肉・複雑形状の成形や、成形サイクルの短縮に有利です。

耐薬品性

油・ガソリン・溶剤などに対する耐性が高く、自動車部品に適しています。一方で、高温高湿の環境では加水分解により強度が低下しやすいこと、ガラス繊維入りグレードでは反りが発生しやすいことなどに注意が必要です。

PBT樹脂の射出成形で注意すべきポイント

PBT樹脂は成形性の良い樹脂ですが、安定した品質で量産するためには以下の点への配慮が必要です。トルク精密工業では、これらを踏まえた成形を行っています。

  • 材料の予備乾燥
    PBT樹脂は水分を含んだ状態で成形すると加水分解を起こし、強度低下や外観不良の原因になります。成形前の予備乾燥と乾燥後の材料管理を徹底しています。
  • ガラス繊維入りグレードの反り
    PBT+GFは繊維配向による収縮の異方性で反りが発生しやすい樹脂です。ゲート位置や肉厚設計、成形条件の検討により、寸法精度を確保します。
  • ウェルド強度
    ガラス繊維入りグレードではウェルド部の強度が低下しやすいため、ゲート位置の検討により、強度が必要な部位にウェルドが入らないよう配慮します。
  • 金型温度の管理
    PBT樹脂は金型温度が結晶化度に影響し、寸法や表面外観、後収縮に関わります。安定した金型温度管理により、品質のばらつきを抑えます。
  • インサート成形時の配慮
    金属端子と樹脂の密着性や、収縮差によるクラックの防止のため、インサート部品の形状・予熱・成形条件を検討します。

トルク精密工業のPBT樹脂成形の特徴

自動車電装部品での量産実績

自動車関連部品を中心に、PBT樹脂・PBT+GFを使用した部品の量産を行っています。品質の安定と継続供給が求められる部品に対応します。

金属端子とのインサート成形

プレス加工した金属端子・接点板を金型にセットし、PBT樹脂で一体化するインサート成形に対応します。コネクタや端子台など、PBT樹脂を使用したインサート成形品を、金属部品のプレス加工から一貫して製造できます。

ガラス繊維入りPBT樹脂の実績

強度・耐熱性が求められる製品向けに、ガラス繊維入りPBT樹脂の成形実績があります。反りやウェルドに配慮した金型・成形条件の検討を行います。

寸法安定性を活かした精密成形

20t〜220tクラスの成形機を中心に、寸法精度が求められる小型・精密部品の成形に対応しています。

試作検証から量産まで一貫対応

試作段階での寸法・強度の検証から量産立ち上げまで、一貫して対応します。

VA提案

反りを抑える形状・ゲート位置の見直し、GF含有率や難燃グレードの最適化、インサート成形による部品点数削減など、図面段階からのVA提案を行います。

PBT樹脂の成形事例

トルク精密工業では、以下のようなPBT樹脂製品の成形実績があります。

インサート成形品(金属端子+PBT樹脂)
プレス加工した金属端子・接点板をPBT樹脂で一体化したコネクタ・端子部品です。

自動車電装部品
PBT+GFなどを使用した自動車の電装関連部品の量産に対応しています。 

センサー・スイッチ関連部品
寸法安定性と電気絶縁性が求められる小型部品の成形に対応しています。
 

PBT樹脂の成形に関するよくあるご相談

金属端子をPBT樹脂で一体化したコネクタを作りたい
インサート成形をご提案します。金属端子のプレス加工から一貫して対応できます。

PBT+GFで量産したい
自動車関連部品での量産実績と、ガラス繊維入り樹脂の成形ノウハウを活かして対応します。

PBT樹脂の反りや寸法が安定しない
ゲート位置・肉厚設計・金型温度などの検討により、寸法精度の改善をご提案します。

PAとPBTのどちらが適しているか分からない
使用環境(温度・湿度)や要求性能(靭性・寸法精度)を確認のうえ、最適な材料をご提案します。

コストダウンを相談したい
形状・グレード・工程の見直しなど、図面段階からのVA提案を行います。

PBT樹脂の射出成形はトルク精密工業へ

トルク精密工業では、PBT樹脂の射出成形に対応しています。自動車電装部品での量産実績と、金属端子のプレス加工から一貫して対応できるインサート成形により、耐熱性・寸法精度と量産安定性の両方が求められる製品にお応えします。

試作検証から量産まで一貫して対応し、図面段階からのVA提案も行っています。PBT樹脂の成形、材料選定、量産先の変更などをご検討の場合は、お気軽にお問い合わせください。